古着屋で服をみていた
小学生の子供を連れた恰幅のよい母親が、店内で大きい声を出した
「ほら、あれみてみぃ! 最近はあんなんが流行ってんの? あぁいう派手なシャツ。」
「ママ、でもな、この前な、ケンくんと遊んだ時、ケンくんも着てたで。」
「え?ケンちゃんが?ようわからんわ」
「あんなんじゃないけどな、襟のついたシャツ着てた。」
(あ、ぼく、襟のついた服着てるやんか。)
自分の事じゃないと思いたくてチラ見してみると
母親の人差し指が
めちゃくちゃこっちを向いていた
ダレが
誰が
“あんなん”じゃ
この人、根性の使い方がおかしい。
絶対。
だって、手全然おろさないんだもの。
え?まだおろさないよ?
そんなことしちゃあ、ダメ!絶対!
母親はその腕をおろすことなく、指を引っ込めることなく、
側にあった服の方へ指をスライドさせこう言った。
「あんたはコッチのパーカーにしとき」
奥さん。
ぼくとケンくんを敵に回しましたよ
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