夏眠から目を覚ましたマフラーが各々の地で外気にさらされ始めた
チェック、無地の大判、ストライプ、どこかの民族っぽいもの
マフラーと距離をとる過去の自分が記憶の中で登下校する。
中学の時も高校の時も、「なんでこんなに寒いのにマフラーせえへんの?首を温めると全然違うで。」と言われたことを思い出した
そういう言葉をかけてくれるのはいつも女性だった
別にモテていたわけではない
女性特有の繊細さみたいなものが僕を少し掠めていってくれたのだろう
僕は「めんどくさいねん」とか「寒さに強いから大丈夫やねん」とか言うて流していたが、授業中いつも太ももの裏に手を隠して暖をとっていたほどの寒がりだった
もしかしたらそのことも気付かれていたのかもしれない
それでも、その寒さを我慢してまでも守りたかったのがセンスという名の怪物だったのだと思う
センスを問われていそうで、青春という重大なふるいにかけられているようで怖かったのだ
まさに自意識の塊が日常を闊歩していた
そんな昔の自分を次々に追い抜いていく名前も知らない後輩達。
みんなマフラーやネックウォーマーをしている
少し羨ましかった
もうすぐ12月、
そろそろ僕も首を温めよう
あの頃とは別の形で引きずり続けるこの自意識は自らの温もりでほぐれてくれるのだろうか
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