新幹線のトイレで用を足していると、目を疑う程の速度と回数でドアノブをガチャガチャされた。
狭い空間でカラダを揺られながら辟易としている僕の耳に届いた大きな声。
「誰か入ってるわ!」
ここでまず思ったのは、
(トイレ利用中のマークみるべし)
である。
そして、次に思ったのが
(ドアノブひねる前に、ノックしてくださいませ)
である。
僕が鍵を掛け忘れて用を足していたら、とんでも無く気まづい状況になることをご存知なのだろうか。
ほんと。
まぁ、でも。
お腹が痛くて困っているのかもしれないと思い、素早く済ませて扉を開けた。
すると、
扉の目の前も目の前。
とんでもない距離でおばあちゃんらしき人、小さい男の子、お母さんらしき人がカラダを揺られながら立っていて
これまた大きい声で
「ほら、あいたわ!」
とおばあちゃんが言った
さっきの声もドアノブをひねったのも絶対この人じゃん。
おそらく男の子がトイレに行きたかったのだろう。
待たせてしまって悪いことしたなぁと思ったが、
これだけは心の中で言っておいた。
自分の手柄でトイレをあけたったみたいな感じで言うな!