百円均一のマスクを使用し始めて早数年。
ほぼ毎日、箱からその日の気分でランダムに一枚取り出すのだが、十枚に一枚ほどの割合で少しだけ分厚いどしっとしたマスクに出会うことを発見したのである。
当たりくじ感。高級感。
これは、所謂幸せなのであります。
僕はこの幸福に「工場のまごころ」と名付け、密かに味わっていた
今日も、本日のマスクはどうかな?と箱から一枚抜き出したところ、どう転んでもこれ「工場のまごころ」じゃん。ということを指が感じ取った
ここ最近は出会っていなかったので、全力で喜ぼうとする感情のタネが生まれたが何故か芽生えることはなく、腐ってしまった
これは、「工場のまごころ」がなかなかきていないことで、そろそろきてもおかしくないという驚きの欠如なのか
それとも、「いや分厚いねん。季節感を履き違えるな。」という鼻周り口周りからの抵抗なのか
んなもん、知るか知るか知るか
と無理やり顔に引っ付かせて家をでたら、すぐに耳がちぎれるほど痛くなった
マスクからの最後の抵抗に耐えきれず「工場のまごころ」を初めて自らあーーーー。って無理矢理外した
僕は違和感に従うべきだったと深く思った
己の心とカラダの相互関係は難しいと深く深く思った
バッドエンド?
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