気づいたら、全然仲良くない人の家にいる。
空気みたいに隅に。
こんな経験あなたにもあるのだろうか?
僕は右手で触れられる距離にいるコイツと遊んでいたのであって、
左手では決して届かない距離にいる、こいつとはまともに話もできない。
2人はサッカー部で僕はバスケ部。
ボールをゴールに入れるからって仲良くはなれないよ
慣れない知らない合わない空気感が出来上がりつつある。
かえりてぇ。
思っていても、そんな事は言えまい。
そして
ウイイレというサッカーゲームが当たり前のよう通過儀礼であるように始まった。
奇数だから当然はぶれる。
いや、はぶかれた。
なんか高度っぽいプレーの連続ですごい盛り上がる馴染めないこの部屋。
左側にいるコイツの部屋の匂いすら、僕を追い出そうとしている
僕はとりあえず後方から
「おー、」とか、「なにいまの!?」など
其の場凌ぎの合いの手を入れて空気を演じきる。
ここでなにも喋らないのは不自然で逆に浮いてしまうのだ
すると、仲良くない左側の彼が口を開いた
「これ勝った方が、決勝な。」
僕はまったく嬉しくないシードをもらってしまった
なぜ初心者の僕がシードなんだ、
冷や汗をかいた僕が黙っていると
彼は再び口を開きこう言った、
「俺ウイイレ下手なやつ、嫌いやねんよな。」
ほぼ、名指し。
そもそもそんな嫌いになり方がまかり通るのだろうか
彼が負けることを切に願ったが、
僕の祈りは彼の部屋から飛び出ることはなく、
神様は、なあんにも知らない。
普通に勝ちやがった
負けて笑う友達の鈍感さにも腹が立ったが、僕も笑っておいた。
窮地に立たされた僕は決勝の相手として奇跡を起こしてみせようと足掻いた結果、年俸何十億も稼ぐ有名プレーヤーでヘマをしまくり余裕で負けた。
異国のプレイヤーたちが、凄く悲しい顔をしてトボトボと歩いていた。
顔のリアルさが不愉快でたまらなかった
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