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交差点、歩道にて

交差点の広い歩道で信号を待つ女の子が泣いていた。
 
体の半分を占める赤いランドセルが震えていた。
 
 
そのランドセル越しに
男の子3人がギャーギャーと言葉を女の子に投げつけている。
 
 
女の子はわんわんと声をあげて泣かずに
溢れ出る涙を右手の裾でぬぐいながら睨んでいる。
 
 
何が原因でそうなっているのは
もちろん自分にはわからない。
 
 
 
でも女の子を男の子3人で寄ってたかって
という構図があまりにも卑怯に見えて
 
何とかしてあげようかと思った。
 
 
でも自分が介入することを女の子は望んでいるんか。
 
関わることでもっとこの子がしんどい思いするんじゃないか。
 
 
安直な思いやりが相手にとっては苦しいこともあるかもしれない。
そう思うと何もできなかった。
 
 
 
他の人と同じように空気になろうとしていた。
 
 
「痛い痛い。」
 
女の子が
真ん中の男に飛び掛かって
髪の毛を引っ張っていた。
 
 
泣きながら
吼えるながら
力いっぱい右に左に
 
死んでも離すまいと。
 
 
しまいには男の子も泣き出して
他の2人の男子は、この状況に怖がるような表情で立ち尽くしていた。
 
 
 
想像以上の反撃にあった3人は
わんわん泣く1人を抱えるようにしてとぼとぼと帰っていった。
 
 
女の子は泣きながらも全身に力が入ってプルプルと震えていた。
 
 
 
どちらがいいとか、悪いとか
社会的には言えないんだろうなと思う。
 
3人でからかったほうも、過剰な反撃をした女の子も
怒られるだろう。
 
 
 
ただ女の子には
ナイスファイトと声をかけてあげたい気持ちになった。
 
 
じぶんなんかとは比べ物にならない根性の持ち主に
尊敬の気持ちさえ芽生えるくらいかっこよかった。
 
 
 
 
 
最後まで読んでくれてありがとう。
 
 
 
 
 
 

「痛いの痛いの飛んでいけ」

 

 
 
 
 



 
 
 
 

「5秒先」

 
止めの正直
 

「どーなっつどーなった?」

 

 
 
 
 
 
 



 
 

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