2020年1月、映画鑑賞録。
合計8本。
日本映画0本。【⚪︎マーク】
外国映画8本。【⚫︎マーク】
アニメ0本。【☆マーク】
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⚫︎『チョコレートドーナツ』
⚫︎『フューリー』
⚫︎『ムーンライト』
⚫︎『カンパニー・メン』
⚫︎『サーミの血』
⚫︎『帰ってきたヒトラー』
⚫︎『アルカディア』
⚫︎『ノッキン•オン•ヘブンズ•ドア』
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近所に唯一のレンタルビデオ屋さんがつぶれました。
店内はもぬけの殻で真っ暗になっていました
窓には僕だけがうつっている、ただ。
この場所に初めて足を踏み入れたのは中学生の頃。
「異様に目立つ建物がある」と友達が言い
「あれ前から気になっててん」と僕が言った
アメリカの国旗を模したデザインが入ったとても大きな建物。
突然その存在を知りたくなった二人がチャリを飛ばして到着したその建物は紛れもない姿で堂々と鎮座するビデオ屋だった
しかも、思いっきり大きく「VIDEOレンタル」と書いているではないか。
あんなにも不確かな存在だったことを疑ってしまうほどにそこはずっとビデオ屋だったのだ。
到着して早々、ビデオ屋を含めた僕たちは堪らなく綺麗な夕日に照らされた
今までもずっと外にいたのにいま気づいたみたいに。
この場所は僕が知らない世界で溢れているのだろう。
そんな未知の美しさの一部になれた気がして心がふわふわと泳ぐ
”入会費,年会費無料”の文字は僕たちの背中を押してくれ、すぐさま一緒にカードを作ろうということになった。
店内に入って申し込み用紙の必要事項をうめている間も夕陽は店内を染め続けている。
なによりも僕を緊張させたのは身分証の提示だった。
新作映画のポスター。
その隙間から、からかうように射してくる夕陽。
あの色は青春でもあり、大人の象徴でもあった
少しハードな素材の番号が沢山入ったピカピカのカードを手にすると無敵になれた気がしたし、自分の意思で作品に触れられることが嬉しくてカードを眺めながら帰った。
その光景とあの夕陽達は頭から離れない
なにも借りなかったあの日の思い出がなぜか一番濃いのだ
そんな郷愁が頭を駆け巡り、一瞬で店内に色彩が蘇った
CDコーナー、洋画コーナー、邦画コーナー、アニメコーナー、18禁コーナー 、NBAのコーナー、お笑いのコーナー…
あれは聴いた、あれを観た。
あれも観たし、これだって‥
どこがどのコーナーなのか、全てわかる。
気がしたがやはり真っ暗だった
やるせない気持ちを携え僕は再び歩き始めることしかできなかった
そういえばあの人と初めて待ち合わせをしたのもあのビデオ屋だったな、と思い出した頃には振り返っても姿を確認できない場所まで来てしまっていた
あのカードではもう世界とは戦えないらしい。
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