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そらまめくんとめだかのこ

絵本の情報

タイトル
そらまめくんとめだかのこ
作者
なかや みわ
出版社
福音館書店
出版年月日
2000年09月15日
そらまめくんとめだかのこ

あらすじ

降り続いた雨がようやくあがり
さぁー思いっきり遊ぶぞーっと外に出ると
そこには大きな水たまりが…。
そらまめくん達は、
その水たまりの中で迷子のめだかのこと出会います。
めだかのこはもといた小川に帰れるのでしょうか?

感想

※ネタバレが嫌な方は先に作品を読むことをオススメします。
 
 
 

そらまめくんとめだかのこ (こどものとも傑作集)

 
〝誰かのためなら宝物が濡れたっていい!〟
 
雨上がりの「水たまり」で繰り広げられる
新たな発見と思いやりこそが、この絵本。
 
 
めだかのこを助けようとする
そらまめくんたち
 
誰かを助けようとすることって
当たり前のようで
とても難しいことだと思うんです。
 
 
 
僕がまだ小学生の頃
ザリガニ釣りにハマっている時期があり、
放課後になるとある池に足繁く通っていたのです。
 
だいたい同じメンバーで、男の子3〜4人だったはず。
 
だけど、
その日はクラスの女の子が1人
一緒にザリガニ釣りをすることに。理由はなんだったっけなぁ。思い出せない…。
 
 
そして
各々が自分の世界に入る中
 
 
突然「ボチャーン」という音。
 
 
男の子の1人が池に落ちたのです。
 
この池は結構深いところと浅いところがあって、運が悪い事に深い方へ。
 
僕たちは慌てふためき
余裕のない頭はいっぱいいっぱい。
 
そんな時
すっと手を差し伸べた子が。
 
 

それは僕たち男の子ではなく
女の子だったのです。
 
それが合図となり
声をかけたり、なんとか引っ張ってみたり。
みんなで助けることに専念しました。
 
そして、
なんとか池からあがることができた友達の足は
コトの深刻さを物語るように血だらけで、
なぜか僕が泣きそうになったのを
今でも覚えています。
それは安心したからなのか、情けなくなったからなのか。
どちらにせよ、僕はなにもできなかった。
 
 
その女の子の行動がなければ
1つの大事な命がなくなってしまっていたかもしれない。
1人の女の子が、自分の手や服に池の水がつき
ドロドロになるのも厭わず、
友達を助けようとすることが
どれだけ困難で勇気のいることか。
 
だからこそ
この絵本に出てくる
そらまめくんの行動は決して簡単ではないのです。
最初は少し傲慢にみえるそらまめくん。
だけど、簡単に真似することができない
大事なココロを持っている。
 
めだかのこは
そらまめくんやピーナッツくんなど、
心優しいみんなに見つけてもらえてよかった。
 
 
今の自分は
あの時の女の子やそらまめくんのようになれているだろうか。
 
 
 
(文:國)
 

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