オレにはわかる。
あいつは「シャイボーイ」やら「クール」などと一目置かれているが
違うんだろ
あいつは完璧主義なのだ。
ボロがでないよう余計なことは話さないし、誰も傷つけない。
全てを理解し、彼はひとりだ。
独りを演じ、一人だ。
それでもあいつは孤独にならない。
整っていて愛される顔。
独りではないようにみえる顔。
生まれ持った容姿にまで彼の策が及ぶはずがない。
いや、彼は完璧主義だ。
オレにだって理想はある。
誰にだって妄想がある。
そうなれない自分がいて、そうさせない誰かがいて。
孤独がバレると後ろ指をさされ、地獄におちる。
深くて深くて暗い。
そこにはうじゃうじゃと人がいて、「ここにいた方が安全だよ。暗くてみんなの顔なんてわからないしさ。」などと言うやつもいた。
オレは昨年の10月18日からここにいる。
ここからはあいつがみえる。
見上げれば未来がみえる。
人の賢さと、滑稽さをみてきた。ずっと。
あそこに戻る方法はもうすぐ…
「あのー、すみません。こっち、こっちです。」
「なんでしょうか?」
「そんなに上が気になりますか?あの人をここまで引き摺り下ろす方法知りたい?」