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Story

選手

 
 
 
「もう間に合わへんて!」
 
「パニックなるなよ。まだ間に合うて」
 
「あーー、釈迦兄やん、急すぎるねん。」
 
「でもあと一人やろ?」
 
「そのあと一人がおらんねん。」
 
「おれんとこのひひひひひひひひひ孫まだ空いてたんちゃうかな?バスケットやってたと思うし。」
 
「ほんまか?なんで今年は俺らの世代が選手集めやねん‥」
 
「まぁ、年一回のスポーツ大会はすごい楽しみにしてはるからなぁ」
 
「お前はもう5人集めれたん?」
 
「なんとかな。俺運良く現世に子孫多いし」
 
「ええなあーー。血縁関係は許可いらんしな」
 
「友達の子孫なら役所での手続きも簡単やから、おれんとこのかしたるって!」
 
「んー、やるからには勝ちたいねん」
 
「じゃかあしいわ!人の優しさを!ほんで、誰の子孫が万年補欠じゃ!」
 
「すまん。」
 
「おい!謝るな!(そこまで言うてない)と否定をしろ、否定を。」
 
「すまぬ。」
 
「チッ!‥まぁ、しゃあない。4人目で自分とこの子孫の赤ちゃんを無理やり入れた時点で5人目は難しくなるやろなとは思ってた。」
 
「だって、3位(1時間)2位(3時間)1位(5時間)やで?」
 
「優勝すれば5時間、歴代一家と現世の孫に会える」
 
「会いてぇ。あの赤ちゃん抱きしめたい。」
 
「現世の子孫と会えるのはその子孫の夢の中といえど触れられるのは大きいよなぁ」
 
「試合観戦はモニターごしやけど、この目に焼きつけたくて4人目に選んでもうた」
 
「‥わかった、わかった、一緒に現世ライブカメラで5人目探すぞ」
 
「友よ‥」
 
「まずは‘‘体育館’’で検索っと、えー‥この青年とかはどうや?3人お気に入りに入れてるけど申請はされてないで」
 
 
「178cm、細マッチョ、ディフェンスがうまい。かぁ」
 
 
「しっくりきてないかんじやな、ほんなら、この女のコは?一人申請してるみたいやけど」
 
 
「スタミナ抜群、コーナーからのシュートの確率良い。んー、文句はないねんけどな‥検索のここ押したらどうなるん?」
 
 
「おいおい、変なとこ押すな!」
 
「あっ!体育館じゃなくなってもうた!」
 
「真っ暗、なんやこれ」
 
「壊れた?」
 
「わからん、体育館戻るぞ」
 
「ん?ちょっと待って!なんか音せんか?」
 
「あ?」
 
「ほらほら。ボールついてる音、」
 
「ほんまや、今ガシャーンいうたな」
 
「暗視モードに変えてくれ」
 
「はいよ」
 
「えー…夜の公園やな?ここ」
 
「おじさんから湯気でとる…」
 
「なにしてんねやこの人」
 
「確実にバスケットしてるね、一人で」
 
「全力でリングにボール投げつけてるな…」
 
「息抜きでやってんねやろ、体育館戻るで」
 
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ」
 
「なんやねん。」
 
「このひとはありかもしれへん。」
 
「あほゆうな。勝ちたいねやろ?」
 
「勝ちたい。でもみてあのシュートのリズム。」
 
「めちゃくちゃなだけや。バスケしながら全身アンブロのジャージやし」
 
「未経験者は得点3倍やで?もしあのシュートが決まるのなら、あれは誰にもブロックできひん」
 
「正気か?赤ちゃん抱きしめられへんぞ」
 
「その時はその時や。」
 
「なんか、拍子抜けというかなんというか‥」
 
「おしい!ほら、きまりそうや」
 
「買い被りすぎや、80ぶんの0ー!95ぶんの0ー!」
 
「難しいか…」
 
「100ぶんのーーー、これはいらんかったら、消…」
 
 
 
スパッ!
 
 
 
!!!!!!!!!!!!!!
 
 
「あっ、入ったけど疲れ過ぎて倒れた。。。」
 
 
「ちょっと、ちょっとー、誰か!救急車ーーー!!俺の大事な選手やねん!」
 
 
「この人1週間後、夢の中で突然大舞台に立たされる訳やけども、バスケのルールわかってんのか?」
 
 
「るーる?…」
 
 
 
 
 

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