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Story

点滅

 
 
ツーと紐からぶら下がるマスコットを引っ張った
 
ぱぱぱんとなじんだリズムで光る、蛍光灯。
 
刺すように痛くて
 
対象物はわたしだ、
と思っているけど本当の事なんてわからないの。
 
暗晦の残像が残存する数秒。
2日前、アパートのゴミ置き場で目を合わせた、役目を終えようとするクマのぬいぐるみを想った。
 
半透明のビニール越しだった。
 
折しもイヤフォンから流れるは
 
「1-800-273-8255」
 
慈しみの賞味期限。
 
私の消費期限。
 
 
love。
 
 
頭上にはただ綺麗な満月があった。
 
 
自身のレンズを通したシーンはいつまでも脳裏に張り付いていて、出し抜けにべりべりと剥がれ落ちる。
 
そう、この瞬刻。
 
わたしのふとした所作で舞うほこりに気付くまでの間。
 
現状、冴えきった頭に寝惚け眼の目元。
 
そんなリアルと御伽の矛盾を縫うように現れたほこりは妖精にみえた。
 
 
「人間としての才能をひとつだけください。」
 
 
その中に1匹の虫が混じっていることに気付こうともしないわたしは
 
 
明日の分まで泣いていた。
 
 
Who can relate?
 
 
 

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