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かがみのなか

絵本の情報

タイトル
かがみのなか
作者
作:恩田陸 絵:樋口佳絵 編:東雅夫
出版社
岩崎書店
出版年月日
2014年07月31日
かがみのなか

あらすじ

いえのなかにもある
おみせのなかにも
まちかどにもいっぱい
おもいがけないところにもある
 
今となっては欠かせないものである鏡がある日…。

感想

※ネタバレが嫌な方は先に作品を読むことをオススメします。
 
 
 
身近に溢れているのになぜか不確かな存在の「鏡」にフォーカスをあてたお話。
 
 
“自分で自分を目視できる鏡”
 
 
こちらの世界をただ映すのではなく、あちらにも世界があるという。
 
 
読み進めるうちに、鏡に対して朧げに抱いていた不安が恐怖になって襲いかかってきました…よ…。
 
 
 
鏡に映る自分…いや向こうの世界の自分がこちらの世界に降り立つのを今か今かと待ち侘びている、、、僕を押しのけて。
 
 
呑気に暮らす僕は自分の姿をそこに見続けるのだ。
 
そしてついに足をすくわれる日がやってきてしまう。
 
 
ある朝歯を磨きながら鏡をなんの気なしにぼーっと眺めていたら、鏡の中の自分だけ手が止まる。
 
え?
 
と思っていると
 
向こうの自分が不気味に笑い出す。
 
え?え?
 
と慌てる中、手が伸びてきて体ごと引き摺り込まれるのだ。
 
 
そしてこう話しかけてくる。
 
 
「引っ張ってみたのはいいねんけど、あっちの世界はどうやっていくん?」
 
「はい?頑張って跨いだらいけるんちゃうん?」
 
「それできんねやったら、もうしてるわ!」
 
「しらんわ!!見切り発車もええとこやろ」
 
「ちょっと一回リセットしよか、帰って!」
 
「どうやって帰るねん…」
 
「……ごめん。とりあえずこっちの洗面台で口ゆすいで?」
 
「うん…。」
 
「うん…。」
 
 
 
…なんやこれ。
 
 
 
(文:國)