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ちいさな ふるい じどうしゃ

絵本の情報

タイトル
ちいさな ふるい じどうしゃ
作者
作:マリー・ホール・エッツ やく:たなべいすず
出版社
冨山房
出版年月日
1976年01月25日
ふるい

あらすじ

「ここでまっていてくれよ、」という
運転手さんの言うことを無視して走り出した
ちいさなふるいじどうしゃ。
 
そんな自動車の目の前に次々と現れる
かえる、うさぎ、あひる、めんどり、うし…。
 
暴走をはじめた自動車の行く末とは…?

感想

※ネタバレが嫌な方は先に作品を読むことをオススメします。
 
 
 

ちいさなふるいじどうしゃ

 
 
あらゆる生き物を轢いてはカラダをゆすり笑うというちいさなふるいじどうしゃ。
 
 
一見強情で狂気的な行為にみえるが、
僕はこの「ちいさな ふるい じどうしゃ」
という名前にひっかかってしまった。
 
特に“ふるい”という部分。
 
 
ふるいモノというのは故障しやすい。
それだけ長く使われているんだから。
 
 
そのことを考えると、
「この自動車も故障していたのじゃないのか?」という疑問がうまれた。
 
そしてその故障が原因で性格まで変わってしまい、
どうすることも出来なかったんじゃないかって…
 
 
自動車の目をみていると、
この自動車が悪者には思えないのです。
 
 
だから、
汽車にぶつかりバラバラになってしまった自動車の目から涙が出ているシーンは見ていて辛かったし、
 
轢かれた痛みからでた涙ではなく、
みんなに「ごめんなさい。」と謝っている涙にみえた。
 
 
 
この絵本に触れ、
モノの終わりについて思いを巡らすように。
 
 
それは、
バラバラに壊れてしまったとき?
持ち主に見放されてしまったとき?

 
 
 
自動車が部品と共に落としていった難題は、この先も僕の頭の中に残る気がする。
 
 
 
おしまい。
 
 
 
(文:國)
 

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