あの日と変わらない佇まいで人の往来を許し続ける、この駅を利用したことはない
すぐ側の小さな公園で朝まで話をすることにかまけて、だからこそなんとか過ごせた日常を思い返す
滑り台に座りながら空を見上げると高速道路が視界に入り、生きているという事を少しだけ忘れられた時間達
隣にいたあの人はどうだったのだろう、
あの人は、よく歩いてはよく躓いた
そういう人だった
僕にはとても優しい人だった
僕は、僕は
深夜と早朝しか知らなかったこのまちの動く姿を今日初めて見た
駅を温める夕陽は美しくはなかったが、
いい雰囲気の本屋さんに気づくことができて、なんか嬉しかった。
嬉しかった
だけど、あの公園にはまだ行くことができなかった